「猫を棄てる 父親について語るとき」4月23日発売!!
月刊誌「文芸春秋」2019年6月号で発表されたエッセーが、いよいよ新書として、4月23日に発売されることがわかりました。
タイトルは「猫を棄てる 父親について語るとき」 。
2008年に90歳で他界した父の人生を、親子で交わした会話や関係者への聞き取りを基に詳述し、自らのルーツを明かしています。
【村上春樹さんからのメッセージ】(公式サイト引用)
亡くなった父親のことはいつかきちんと文章の形にしなくてはならないと、前々から思ってはいたのだが、なかなか取りかかれないままに、年月が過ぎていった。身内のことを書くというのは(少なくとも僕にとっては)けっこう気が重いことだったし、どんなところからどんな風に書き始めれば良いのか、それがうまくつかめなかったからだ。でも、父と一緒に猫を棄てに行ったときのことをふと思い出して、そこから書き出したら、文章は思いのほかすらすらと自然に出てきた。
僕がこの文章で書きたかったのは、戦争というものが、一人の人間――ごく普通の市民だ――の人生や心をどれくらい大きく変えてしまえるかということだ。そしてその結果、僕がここにいる。でも僕としてはそれをいわゆる「メッセージ」として書きたくはなかった。ただの個人的な事実として、そのまま静かに示したかっただけだ。僕にとってはちょっと特別な意味を持つ小さな書物であり、いろんな年代の人々に、いろんな読み方をしてもらえるといいなと思っている。
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