新作短編を書き下ろし「恋するザムザ」
作家の村上春樹さん(64)が、短編小説の新作を書き下ろしていたことが6日分かった。村上さんが編訳を手がけた恋愛小説集「恋しくて」(中央公論新社、10日発売)で、欧米の現代作家の9作品とともに収録されている。
新作の題名は「恋するザムザ」。チェコ出身の作家、フランツ・カフカの名作「変身」を下敷きにした遊び心のあるストーリーになっている。村上さんは同書に収めた自作解説で「シリアスなフランツ・カフカ愛読者に石を投げられそうだが」とカフカの愛読者の反応を心配しつつ、「僕としてはずいぶん楽しく書かせてもらった」とつづっている。
村上さんは平成14年に誕生日をテーマにした小説集「バースデイ・ストーリーズ」を編訳した際も、1編を書き下ろしている。
【内容紹介】
村上春樹が選んで訳した9編のラブ・ストーリー + 書き下ろし短編小説
マイリー・メロイ 「愛し合う二人に代わって」
デヴィッド・クレーンズ 「テレサ」
トバイアス・ウルフ 「二人の少年と、一人の少女」
ぺーター・シュタム 「甘い夢を」
ローレン・グロフ 「L・デバードとアリエット」
リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ 「薄暗い運命」
アリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」
ジム・シェパード 「恋と水素」
リチャード・フォード 「モントリオールの恋人」
村上春樹 「恋するザムザ」(書き下ろし)
全10編収録