「1Q84」の名言集
1Q84
出版社:新潮社
単行本発売日:2009/5/29
単行本:BOOK1 554ページ、BOOK2 501ページ、BOOK3 602ページ
Book1 P.22:タクシーの運転手
「ひとつ覚えておいていただきたいのですが、ものごとは見かけと違います」
Book1 P.344:青豆
「でもね、メニューにせよ、ほかの何にせよ、私たちは自分で選んでいるような気になっているけど、実は何も選んでないのかもしれない。それは最初からあら かじめ決まっていることで、ただ選んでいるふりをしているだけかもしれない。自由意志なんて、ただの思い込みかもしれない。ときどきそう思うよ」
Book1 P.358
悪い予感というのは、良い予感よりずっと高い確率で的中する。
Book1 P.359:小松
「君は小説家になりたいんだろう。だったら想像しろ。見たこともないものを想像するのが作家の仕事じゃないか」
Book1 P.525:あゆみ
「あいつらはね、忘れることができる」
「でもこっちは忘れない」
「歴史上の大量虐殺と同じだよ」
「やった方は適当な理屈をつけて行為を合理化できるし、忘れてもしまえる。見たくないものから目を背けることもできる。でもやられた方は忘れられない。目 も背けられない。記憶は親から子へと受け継がれる。世界というのはね、青豆さん、ひとつの記憶とその反対側の記憶との果てしない闘いなんだよ」
Book1 P.530:タマル
「警察なんて何の役にも立たない。見当違いなところで見当違いなことをやって、話がますます面倒になるだけだ」
Book2 P.36:安田恭子
「私にはあなたの知らない過去がたくさんあるの。誰にも作り替えようのない過去がね」
Book2 P.44:牛河
「何か重要なものを創り上げるには、あるいは何か重要なものを見つけ出すには、時間がかかりますし、お金がかかります。もちろん時間とお金をかければ立派 なことが成し遂げられるというものじゃありません。しかしどちらも、あって邪魔にはなりません。とくに時間の総量は限られています。時計は今もちくたくと 時を刻んでいます。時はどんどん過ぎ去っています。チャンスは失われていきます。そしてお金があれば、それで時間を買うことができます。買おうと思えば、 自由だって買えます。時間と自由、それが人間にとってお金で買えるもっとも大事なものです」
Book2 P.75:タマル
「人間にとって死に際というのは大事なんだよ。生まれ方は選べないが、死に方は選べる」
Book2 P.178:天吾
「僕は誰かを嫌ったり、憎んだり、恨んだりして生きていくことに疲れたんです。誰をも愛せないで生きていくことにも疲れました。僕には一人の友達もいない。ただの一人もです。そしてなによりも、自分自身を愛することすらできない。なぜ自分自身を愛することができないのか?それは他者を愛することができないからです。人は誰かを愛することによって、そして誰かから愛されることによって、それらの行為を通して自分自身を愛する方法を知るのです。僕の言っていることはわかりますか?誰かを愛することのできないものに、自分を正しく愛することなんかできません。」
Book2 P.181:天吾の父
「説明しなくてはそれがわからんというのは、つまり、どれだけ説明してもわからんということだ」
Book2 P.230
目の前に為すべき仕事があれば、それを達成するために全力を尽くさないわけにはいかない。それが私という人間なのだ。
Book2 P.237:さきがけのリーダー
「神は与え、神は奪う。あなたが与えられたことを知らずとも、神は与えたことをしっかり覚えている。彼らは何も忘れない。与えられた才能をできるだけ大事に使うことだ」
Book2 P.490:大村看護婦
「看護婦になる教育を受けているときにひとつ教わったことがあります。明るい言葉は人の鼓膜を明るく震わせるということです。明るい言葉には明るい振動があります。その内容が相手に理解されてもされなくても、鼓膜が物理的に明るく震えることにかわりはありません。だから私たちは患者さんに聞こえても聞こえなくても、とにかく大きな明るいことを話しかけなさいと教えられます。理屈はどうであれ、それはきっと役に立つことだからです。経験的にもそう思います。」
Book2 P.497
このまま逃げ出すわけにはいかない。いつまでも怯えた子供のように、前にあるものごとから目を背けて生きていくことはできない。真実を知ることのみが、人に正しい力を与えてくれる。それがたとえどのような真実であれ。
Book3 P.48:青豆
「希望があるところには必ず試練があるものだから」
Book3 P.93
人は希望を与えられ、それを燃料とし、目的として人生を生きる。希望なしに人が生き続けることはできない。しかしそれはコイン投げと同じだ。表側が出るか 裏側が出るか、コインが落ちてくるまではわからない。そう考えると心が締めあげられる。身体中の骨という骨が軋んで悲鳴をあげるくらい強く。
Book3 P.101:NHKの集金人
「どれほどこっそり息を潜めていても、そのうちに誰かが必ずあなたを見つけ出します」
Book3 P.311
死ぬまではとにかく生きていくしかないわけだし、生きていくには俺なりのやり方で生きていくしかない。あまり褒められた類のものではないにせよ、それ以外に俺が生きていく方法はないのだから。
Book3 P.335:タマル
「プロというのは猟犬と同じだ。普通の人間には嗅ぎ取れない匂いを嗅ぎとり、普通の人間には聞こえない音を聞きとる。普通の人間と同じことを同じようにし ていたらプロにはなれない。たとえなれたとしてもあまり長生きはできない。だから注意した方がいい。あんたは注意深い人間だ。そのことは俺もよく知ってい る。しかし これまで以上によくよく注意をした方がいい。いちばん大事なものごとはパーセンテージでは決まらない」
Book3 P.475
私はたまたまここに運び込まれたのではない。
私はいるべくしてここにいるのだ。
Book3 P.483:安達クミ
「人が一人死ぬというのは、どんな事情があるにせよ大変なことなんだよ。この世界に穴がひとつぽっかり開いてしまうわけだから。それに対して私たちは正しく敬意を払わなくちゃならない。そうしないと穴はうまく塞がらなくなってしまう」
Book3 P.531
これからはこれまでとは違う。私はもうこれ以上誰の勝手な意思にも操られはしない。これから私は自分にとってのただひとつの原則、つまり私の意思に従って行動する。
Book3 P.594:青豆
天上のお方さま、あなたの御名がどこまでも清められ、あなたの王国が私たちにもたらされますように。私たちの多くの罪をお許しください。私たちのささやかな歩みにあなたの祝福をお与え下さい。アーメン。