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「ねじまき鳥クロニクル」の名言集を紹介

「ねじまき鳥クロニクル」の名言集

ねじまき鳥クロニクルの名言集

ねじまき鳥クロニクル

出版社:新潮社
第1部発売日:1994/04
単行本:第1部 308ページ、第2部 356ページ、第3部 492ページ

第一部 P.35:笠原メイ
「人が死ぬのって、素敵よね」

第一部 P.77:加納マルタ
「よろしいですか、岡田様、そういうことは起こりうるのです。岡田様もよく御存知のように、ここは暴力的で、混乱した世界です。そしてその世界の内側にはもっと暴力的で、もっと混乱した場所があるのです。おわかりになりますか?起こってしまったことは起こってしまったことです。」

第一部 P.94:本田さん
「流れに逆らうことなく、上に行くべきは上に行き、下に行くべきは下に行く。上に行くべきときには、いちばん高い塔をみつけてそのてっぺんに登ればよろしい。下に行くべきとには、いちばん深い井戸をみつけてその底に下りればよろしい。流れがないときには、じっとしておればよろしい。流れにさからえばすべては涸れる。すべてが涸れればこの世は闇だ。」

第一部 P.96:本田さん
「流れというのが出てくるのを待つのは辛いもんだ。しかし待たねばならんときには、待たねばならん。そのあいだは死んだつもりでおればいいんだ」

第一部 P.307:間宮中尉
「日本に戻ってきてから、私はずっと脱け殻のように生きておりました。そして脱け殻のようにしていくら長く生きたところで、それは本当に生きたことにはならんのです。脱け殻の心と、脱け殻の肉体が生み出すものは、脱け殻の人生に過ぎません。私が岡田さんにわかっていただきたいのは、実はそのことだけです」

第二部 P.14:加納マルタ
「今は待つしかありません。しかしおそらく近々に、いろんな物事が明らかになっていくでしょう。今は待つしかありません。お辛いとは思いますが、ものごとにはしかるべき時期というのがあります。潮の満干と同じことです。誰にもそれを変えることはできません。待つべきときにはただ待つしかないのです」

第二部 P.63:間宮中尉
「戦争が終わって随分時間も経ちましたし、記憶というものもそれにつれて自然に変質していくものです。人が老いるのと同じように、記憶や思いもやはり老いていくのです。しかし中には決して老いることのない思いもあります。褪せない記憶もあります。」

第二部 P.153:笠原メイ
「ねえ、ねじまき鳥さん、知ってる?あなたは私の気持ちひとつでそのまま死んじゃうかもしれないのよ。」

第二部 P.249:加納クレタ
「たしかに岡田様のまわりではこの何ヵ月かのあいだにいろんなことが起こりました。それについては私たちにも幾分かの責任があるかもしれません。でもそれは遅かれ早かれいつかは起こらなくてはならないことだったのではないかと私は思うのです。そしていつか起こらなくてはならないことであったのなら、それは早く起こった方がかえってよかったのではないでしょうか?私は本当にそんな風に感じているのですよ。いいですか、岡田様、もっとひどいことにだってなったのです」

第二部 P.261:僕
「ねじまき鳥は実在する鳥なんだ。どんな格好をしているかは、僕も知らない。僕も実際にその姿を見たことはないからね。声だけしか聞いたことがない。ねじまき鳥はその辺の木の枝にとまってちょっとずつ世界のねじを巻くんだ。ぎりぎりという音を立ててねじを巻くんだよ。ねじまき鳥がねじを巻かないと、世界が動かないんだ。でも誰もそんなことは知らない。世の中の人々はみんなもっと立派で複雑で巨大な装置がしっかりと世界を動かしていると思っている。でもそんなことはない。本当はねじまき鳥がいろんな場所に行って、行く先々でちょっとずつ小さなねじを巻いて世界を動かしているんだよ。それはぜんまい式のおもちゃについているような、簡単なねじなんだ。ただそのねじを巻けばいい。でもそのねじはねじまき鳥にしか見えない」

第二部 P.266
明日になって何が起こるかは、誰にもわからないのだ。明後日のことなんて、もっとわからない。いや、そんなことを言いだせば今日の午後に何が起こるかだって見当もつかないのだ。

第二部 P.307:叔父
「コツというのはね、まずあまり重要じゃないところから片づけていくことなんだよ。つまりAからZまで順番をつけようと思ったら、Aから始めるんじゃなくて、XYZのあたりから始めていくんだよ。」
「何か大事なことを決めようと思ったときはね、まず最初はどうでもいいようなところから始めた方がいい。誰が見てもわかる、誰が考えてもわかる本当に馬鹿みたいなところから始めるんだ。そしてその馬鹿みたいなところにたっぷりと時間をかけるんだ」

第二部 P.309:叔父
「俺はね、どちらかというと現実的な人間なんだ。この自分のふたつの目で納得するまで見たことしか信用しない。理屈や能書きや計算は、あるいは何とか主義やなんとか理論なんてものは、だいたいにおいて自分の目でものを見ることができない人間のためのものだよ。そして世の中の大抵の人間は、自分の目でものを見ることができない。それがどうしてなのかは、俺にもわからない。やろうと思えば誰にだってできるはずなんだけどね」

第二部 P.310:叔父
「時間をかけることを恐れてはいけないよ。たっぷりと何かに時間をかけることは、ある意味ではいちばん洗練されたかたちでの復讐なんだ」

第二部 P.327
僕は逃げられないし、逃げるべきではないのだ。それが僕の得た結論だった。たとえどこに行ったところで、それは必ず僕を追いかけてくるだろう。どこまでも。

第二部 P.333:かつて加納クレタであった女
「ここは血なまぐさく暴力的な世界です。強くならなくては生き残ってはいけません。でもそれと同時に、どんな小さな音をも聞き逃さないように静かに耳を澄ませていることもとても大事なのです。おわかりになりますか?良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです。どうかそのことを覚えていてください」

第三部 P.261:僕(コンピューターの通信内容)
君は僕にすべてを忘れてほしいと言う。自分のことはもう放っておいてもらいたいと言う。でもそれと同時に、君はこの世界のどこかから僕に向かって助けを求めている。それはとても小さな遠い声だけれど、静かな夜には僕はその声をはっきりと聞き取ることができる。それは間違いなく君の声だ。

第三部 P.262:僕(コンピューターの通信内容)
僕はなんと言われても、たとえどんな正当な理由があっても、君のことを簡単に忘れ去ったり、君と暮らした年月をどこかに追いやることはできない。

第三部 P.416:皮剥ぎボリス
「気の毒だが君は私の呪いを抱えて故郷に戻ることになる。いいかい、君はどこにいても幸福にはなれない。君はこの先人を愛することもなく、人に愛されることもない。それが私の呪いだ。」

第三部 P.438:僕
「正確に言えば、僕は君に会うためにここに来たわけじゃない。君をここから取り戻すために来たんだ」

第三部 P.492:笠原メイ
「ねじまき鳥さん、何かがあったら大きな声で私を呼びなさいね。私と、それからアヒルのヒトたちをね」

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